7月20日、8年4カ月の間、閉じていた扉が開かれた。復興を待ち望み、喜んでいるのは地元勢やファンだけではない。いち早く『復興プロジェクト』を企画し、さまざまなイベントを行った深谷もその1人だ。
「当時、競輪開催ができない中で、忘れられないようにしたくて。ナショナルチームに所属して期間が空いてしまい、もうちょっと何かしたかった、という思いもある」
不完全燃焼だったようだが、熊本の競輪ファンは多くの勇気を与えられただろう。新バンクで走る深谷に最大限の声援を送るはず。
「再開されて、走れることがうれしい。直前は2日間、熊本のバンクでいい練習をさせてもらった」
今大会のポスターに〝機を待つのではなく自ら動き始めよう。さぁ、始動だ〟の言葉がある。「しっかり自力で動きたい」の深谷が猛然と風を切り沸かせる。